「どっちが、フェイクニュース??」 八ッ場ダムと倉渕ダム 2020/相川 俊英 (著) 緑風出版

健康 古代史 時事一般


敗戦直後に計画された群馬県の八ッ場ダムは、時代が変わり、ダムの必要性が無くなり、民主党が建設中止を掲げ総選挙で政権を獲得しながらも、国の河川行政を転換できず河川官僚の陥穽にはまり、安倍政権によって完成されてしまった。
一方、倉渕ダムは、地域住民主導で闘った結果、ダム建設を止められた。
何が違い、何が間違っていたのか? 民主党はなぜ挫折したのか?
そして今、「八ッ場ダムが台風の豪雨から首都圏の水害を守った」とのフェイクニュースがまき散らされている。

本書は八ッ場ダムと倉渕ダムの歴史的顛末を追い、流域住民主体の流域治水への転換を考える。(2020.10)

 

ミンス支持者の反日サヨクによる興味深い論考。

ひとつのダムを作るのに、これだけ紆余曲折があったのかと非常にためになった。
帯にも、でかでかと書かれた「八ッ場ダムが利根川の氾濫を防いだのは本当なのか」を期待して読み始める。

巻末のおわりに4ページだけあるが、納得できない。
著者はもちろん八ッ場ダム反対派だ。

検索すると保坂信人とかダム反対派の「フェイクニュース」だらけである。

 

「八ッ場ダムが台風の豪雨から首都圏の水害を守った」とのフェイクニュースがまき散らされている。」 ← これホント??

 

筆者が根拠にしているのは、新潟大学名誉教授大熊孝と、嶋津暉之氏(この人は、反ダム組織を立ち上げたり、本を書いたり、ゴリゴリのダム反対派だ)の意見だ。
新潟大学名誉教授大熊孝氏とは、

専門は河川工学・河川土木史で、自然と人の関係、川と人の関係を地域住民の立場を尊重しながら研究している。土木工学の教員の中では珍しく住民運動の側に立ったり、社会的な発言をする。
2019年4月現在、八ッ場ダムに反対する八ッ場あしたの会代表世話人・水の駅・ビュー福島潟名誉館長、NPO 法人新潟水辺の会顧問、日本自然保護協会参与などを務める。

 

水掛け論になるから、長くなるし、詳細は省くが、群馬県伊勢崎市の八斗島(やったじま)流量観測所がポイントになったそう。

令和3年6月29日 国土交通省 関東地方整備局が公表した記録がタメになった。

八斗島流量観測所では河川整備計画の河道目標流量と同規模の流量を観測した。
⚫ 主要地点では,避難指示等によりピーク付近の流量観測が実施できていない状況であった。@@@@@@@@@
○主要地点の流量観測結果表
■八斗島 約13,700 ○古戸 ○川俣 ○栗橋 避難指示により観測不能@@@@@

 

ほぼ同時刻に八斗島のすぐそばの○古戸 ○川俣 ○栗橋 避難指示により観測不能とある。それだけ豪雨で危なかったというのがわかる。

自分らに都合のいい意見だけ集めて、「フェイクニュースがまき散らされている」とするのはどうかと思うが。
それはあなたがたの偏った意見に過ぎない。
こういう意見もある。

 

八ッ場ダムのおかげで「利根川が助かった」は本当か 識者らに見解を聞く

2019年10月17日18時09分 https://www.j-cast.com/2019/10/17370325.html?p=all
八ッ場ダムは10月1日に試験湛水を始めましたが、この台風による大雨で一気に水位が上がりました。 「台風19号では利根川中流の堤防が決壊寸前になった。 決壊による大惨事を防いだのは八ッ場ダムの洪水調節効果があったからだ。
「八ッ場ダムが果たした役割は評価してもいいんじゃないか」

環境史・土地開発史・災害史を踏まえた上での災害リスクマネジメントが専門の、立命館大学環太平洋環太平洋文明研究センター・高橋学教授は、「今回はたまたま実験貯水段階で、ほとんど空だったラッキーさもあった」と指摘する一方、「八ッ場ダムが果たした役割は評価してもいいんじゃないか」と語る。

高橋氏は、「関東平野の場合、あまり山がないので、台風の風が吹いてきた時、山に当たって、上昇気流になり雲になって雨を降らす。関東平野の真ん中では雨は降るが、上流側の方がはるかに雨は降りやすい」と置かれた環境に触れ、「八ッ場ダムは割と上流の方にあるのが特徴。上流で降った雨を八ッ場ダムでほとんどせき止めてしまえた。雨が八ッ場ダムの近くなどに集中することを踏まえておかないといけない」とする。

茨城、栃木、群馬、埼玉4県境にまたがり、洪水の際に下流へ流れる水量を減らす役割を担う渡良瀬遊水地にも触れた。国土交通省関東地方整備局の発表(速報値)によると、渡良瀬遊水地は、台風19号に伴う雨で、約1.6億立方メートルの洪水をためた(下野新聞によれば最大貯留量の95%)。朝日新聞の報道(10月14日)によると、識者が上空から河川の氾濫状況を分析。渡良瀬遊水地に大量の水が流れ込んだという。

「関宿で川が2つに分かれていて、1つが江戸川になって東京湾にそそぐ。渡良瀬遊水地が一杯ということは、少しでも利根川支流の吾妻川(八ッ場ダムの方の水)が増えると、江戸川水系に水が流れ込んでしまうことが考えられる」とみる。そうした(流れ込んだ)場合、荒川や江戸川にしろ、東京の下町は危険水位まで達していました。危険水位に達していない時であれば、大した問題ではない。問題は、デッドラインまで達していた時です。渡良瀬遊水地が一杯一杯で使えないとなると、利根川上流からもう少し水が流れてきていたら、現在の利根川水系ではなくて江戸川水系に水が流れ込んで、東京の下町をほとんど水没させただろう。デッドラインぎりぎりのところまで水が来ていたことで、八ッ場ダムの果たした役割は重要」と八ッ場ダムを評価する。

 

専門的なことはわからないが、「建設凍結で揺れた八ツ場ダム、効果発揮か」2019/10/16 19:05 社会 地震・災害
https://www.sankei.com/article/20191016-GDCIQIPIDFP2FP7VWWMZN5HRCQ/photo/6H6ZKMFEMNIAHDAOLHSXGK32XI/
この記事の図を見るだけで八ツ場ダムは充分効果があったと思う。

 

本書前半は、倉渕ダムを中止に追い込んだ市民運動の経過が書かれている。

筆致も弾んで心なしか著者もうれしそうである。

朝日本社の本田記者(勝一ではないほうの)も参戦?して、重要な役割を果たしたという。

嫌な予感がする。

バカ左翼に踊らされてる市民という図。

 

キャサリン台風が、常に国土交通省のダム事業策定の念頭にある。
私は東京に住んでいるから、毎年、心配だ。
私も、キャサリン台風のことを深刻に受け止めている(笑)。

この台風による死者は1,077人、行方不明者は853人、負傷者は1,547人となった(理科年表)[1]。その他、住家損壊9,298棟、浸水384,743棟(理科年表)[1]、耕地流失埋没12,927haなど、罹災者は40万人を超え、戦後間もない関東地方を中心に甚大な被害をもたらした。

特に、群馬県の赤城山麓や栃木県の足利市などにおいては土石流や河川の氾濫が多発し、これらの被害者を中心に群馬県では592人、栃木県352人の死者を出している。また、利根川や荒川などの堤防が決壊したため、埼玉県東部から東京都23区東部にかけての広い地域で家屋の浸水が発生した。この地域で大規模の洪水が発生するのは、1910年(明治43年)8月の大水害以来37年ぶりであった。

 

「地元の人は、そもそも高崎駅の東口にまで大量の水が溜まるような洪水なんて、起こるはずがないと思っています。そんなの嘘だと。それにあんな山奥にダムを作っても水はたまらないので、意味はないと」
小寺知事の側近で現地の本音らしきものを収集して回った大塚克己氏の発言。

もちろん、私は、大塚克己氏に何の恨みもなければ借財もない。

ただ、それ、ほんとに、そう言い切って大丈夫か?
他人事ながら心配になる。

 

結局のところダム建設は、作るか否かの二者選択しかないから、けっこう難しい問題だ。

私から見れば、日本で改革派と囃されている知事は市長は問題のある人物であることが多い。

彼らにとって必要なのはわかりやすい犯人であり、仮想敵である。そこではいつも物言わない「公共事業」が血祭りにあげられ、人々の憎悪が搔き立てられてゆく。彼らのいう改革は市民との会話やガラス張りの知事室というスタイルであり、パフォーマンスである。

彼らは困難を乗り越えて未来を築くプロジェクトに関する勇気を住民には与えてくれない。

本書おしまいの自社広告出版物を見ると、反ダム、脱ダムの出版物ばかり載っている。
ひとつ、興味深いものを見つけた。

「よみがえれ! 清流球磨川 川辺川ダム・荒瀬ダムと漁民の戦い」

 

熊本県の反日サヨクのりっけんの樺島知事が中止させた川辺川ダムがあるではないか!

川辺川ダムは球磨川の流域の3割を取水面積とし完成していれば人吉市内で水位を2.5メートル下げる高価があると国交省は公表していた。

本体工事、せいぜい数年数百億円を残すのみだったダム計画を反対派に乗っかって中止し気持ち良くなったバカシマは万死に値する。
そう、残すのはダム本体工事のみだった
反ダムパヨクは総事業費の2千数百億の無駄遣いが中止で防げたとデマゴーグを垂れ流している。

 

そのような中、2009年に行われた第45回衆議院議員総選挙において民主党はマニフェストに「八ッ場ダムと川辺川ダムの建設中止」を明記。選挙の結果、民主党が第一党となって政権交代となり鳩山由紀夫内閣が発足、国土交通大臣に就任した前原誠司は9月17日の記者会見で「(利水、発電、治水という)当初の3つの大きな目的のうち(利水、発電の)2つがなくなった。事業を見直すのが当たり前」と述べ、川辺川ダム建設事業の中止の意向を明言[50]、鳩山由紀夫首相も同様の意見表明を行った[51]。その後の国交大臣に就任した馬淵澄夫も川辺川ダム中止方針を踏襲したことにより、川辺川総合開発事業の全面的見直し、すなわち川辺川ダム建設事業の中止が決定した。

しかし令和2年(2020年)7月豪雨をきっかけとして、2022年8月策定の河川整備計画において流水型ダムとして位置づけられ、整備が図られることとなった。

 

↑やるとかやめるとか、はっきりしろよ、おい!

 

一方、この被害を受けて、2009年のダム建設中止の判断とその後の治水計画に対する県の対応に対して様々な論調も見られる。
2001年-2003年に国土交通省国土計画局特別調整課長を務めた経済学者の高橋洋一は、2010年発行の自著『日本の大問題が面白いほど解ける本 シンプル・ロジカルに考える』(光文社新書)で

「サンク・コスト論で言えば(川辺川ダム事業は残事業費1200億円をかければ便益5200億円程度となるので)工事続行が正しい」と記していたことを挙げ、「この川辺川ダムがあったらどうかということをぜひ検証してもらいたい」「ダムのない治水というのはあり得ない」「『ダムによらない治水』の方法はあるにはあるが、いずれもコストパフォーマンスではダムの代替にはなり得ない」と、コスト論の観点からダム建設中止の判断を批判している。

 

熊本県を流れる球磨川水系は、八代市、芦北町、球磨村、人吉市、相良村の計13か所で氾濫・決壊し、約1,060ヘクタールが浸水した。

球磨村にある特別養護老人ホーム「千寿園」では、水没した施設で入所者14人が死亡した。

死亡者 行方不明 重症  軽症
熊本県 65   2     12    35

私は、川辺川洪水の被害者65人は、立憲民主党(りっけん)が殺したんだ、と思ってる。

 

これを書くために、反ダム・脱ダムの本をアマゾンで漁ってみたが、ふとあることに気づいた。

令和2年7月豪雨(れいわにねんしちがつごうう)は、2020年(令和2年)7月3日から7月31日にかけて、熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した集中豪雨である。

以降のレビューの書き込みがないのだ。本当にそう。

反ダムパヨク意気消沈した??(笑)

タイトルとURLをコピーしました