写真撮影についての知識はない私だが、明治時代のお雇い外国人(イギリス人)ウィリアム・ゴーランドの写した古墳の写真が何より好きである。

ガウランド日本考古学の父 大型本 2003/8/1ヴィクター ハリス (編集), 後藤 和雄 (編集) 朝日新聞出版
いつもこの本を手元に置いて目繰り返している。

ゴーランド・コレクション 見瀬丸山古墳
古墳時代後期の「最後の大型前方後円墳」と呼ばれる奈良県最大の古墳で、真の欽明天皇陵と言われています。

ゴーランド・コレクション 仁徳陵古墳の写真
周辺が都市化する前の貴重な画像です。左が前方部、右が後円部、墳丘東側から撮影と思われます。現在は墳丘東部に沿ってJR阪和線が通っています。明治5年~21年の間の貴重な写真 このころ山肌はきれいに整備されているが中央部に崩落部が見える。

大阪府塚原古墳群の石室に立つガウランド(原品は大英博物館所蔵、後藤和雄複写、明治大学博物館寄託)Photo courtesy of The British Museum
2018年に、明治大学で素晴らしい特別展が開催された。もちろん、私も行った。

——–明治大学ホームページ、紹介記事——–
特別展 ウィリアム・ガウランドと日本の古墳研究
日本アルプスの命名者としても知られる、英国人技師・ガウランド(William Gowland, 1842-1922)は、明治5(1872)年に来日し、大阪・造幣局に勤めながら数百基に及ぶ日本各地の古墳を調査し、精密な測量図や写真などの記録に基づいた研究論文を帰国後に発表しました。
彼の研究は、日本の古墳研究の先駆けとして高く評価されていますが、その全体像はベールに包まれたままでした。
今回は、ガウランド・コレクションを収蔵する大英博物館の全面的な協力を得て、ガウランドが収集した古墳出土資料や彼が作成した調査図面、アーネスト・サトウをはじめとする当時の研究者との交流を示す手紙、古墳を撮影した写真といった資料に国内の関連資料を交え、最新の研究に基づいたガウランドの古墳研究の実像に迫ります。
大英博物館のコレクションは、日本国内では初めての公開となるのはもちろんのこと、大英博物館でも未公開であった貴重な資料が含まれます。
この機会にぜひご覧ください。
主催:明治大学博物館
協力:日英共同調査グループ・Gowland Project
後援:朝日新聞社
助成:芸術文化振興基金助成事業
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古墳の発掘 (中公新書 65) 1965/4/1森 浩一 (著)
ウィリアム・ゴーランドの偉業については、古い本だが、森浩一先生の名著「古墳の発掘」、52ページからが詳しい。
大森貝塚を発掘したことで知られるアメリカ人モースとは違って、ウィリアム・ゴーランドは日本人の弟子を作らなかったことで、世間に知られるのが遅れたみたいだ。
論文も3つ書いてるが、16年の日本勤務が終わってから本国に戻ってから書かれたものだと。
しかし、なんといっても、16年の滞日期間に、じつに404もの古墳を実地検分、測量までして、石棺内にまで入って(今では無理である)、その素晴らしい明治期の全景写真まで撮ってくれてたのは感謝のほかない。
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イギリスの学会発表時に制作した五条野(見瀬)丸山古墳の図面(19世紀末)
五条野(見瀬)丸山古墳(畝傍陵墓参考地)は、日本最大の横穴式石室を持つ奈良県最大の前方後円墳で、全長は310mに達します。被葬者は、欽明天皇など当時の最高権力者級の人物が想定されています。天皇陵と横穴式石室に高い関心を持っていたガウランドは、この古墳についても実地に調査し、論文で言及しています。この図は、帰国後にロンドンの学会発表時に制作されたとみられるもので、全長は5mに及びます。実物が展示されるのは、国内外通じて初めてのことです。(大英博物館蔵、Photo courtesy of The British Museum)

日本古墳文化論: ゴーランド考古論集 1981/ウィリアム ゴーランド (著), 上田 宏範 (著), 稲本 忠雄 (翻訳) 創元社
九州王朝論者(法隆寺移築説)からみた、「古墳はなぜつくられたのか?」

私はただの古代史好きの、その辺によくいる物好きにすぎない。
そんな私でもこれに類した証言はまだまだあげることができる。
明らかに、柳田国男の言ってることは間違ってる。
古墳はなぜつくられたのか??
これに対する答えは、3点セットで考えなくてはいけないとつくづく思う。
①高地性集落 → ②古墳造営 → ③決まって、被差別部落が存在する。
1000キロの海を渡った「大王の棺」: 九州から大阪、実験考古学の航海が解く古墳の謎 2008/澤宮 優 (著)現代書館 近畿の古墳の石棺のピンクの石って熊本産なんだろ?おまえら、嫌いな国の、地方の産物に囲まれて死にたいと思う?これこそ東遷の証拠じゃねえか

近畿の古墳の石棺のピンクの石って熊本産なんだろ?
これこそ東遷の証拠じゃねえか
おまえら、嫌いな国の、地方の産物に囲まれて死にたいと思う?
高地性集落と倭国大乱―小野忠熈博士退官記念論集 1984/雄山閣「高地性集落」を追いかけて…

「あるいはかなりの地方に高地性集落があらわれる。
弥生中期。あらわれかたも1回ではないのです。
同じ集落をまた修復して使ったりしていますが、しかし古墳ができるようになるとそういうものはほとんどなくなっていく。
なくなるばかりか、ここがまたおもしろいのですが、かつての高地性集落のあったうえに、あるいはすぐ付近に、その地方でもっとも古い前方後円墳が突如として築かれる場合がある。いまのところこの謎はちょっと解けない。」
考古学者・森浩一「考古学の模索」1978 学生社

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