バナナの起源の謎 古代チベット文明の謎 1985/立石 厳 (著) 大陸書房から

グルメ

バナナの不思議

バナナの不思議について書きたい。

卵と共に安くて栄養満点、日本全国どこのスーパーマーケットに行ってもバナナはある。

栄養満点で即効性があり、なんとタンパク質も含まれているというから、バナナの木が1本あれば原理的には人間が生きていくことは可能だ。

日本人は当たり前だと思っているが、どこにでも安価でバナナが売っている国も少ないらしい。

かつて、オウム真理教がロシアで布教し始めたとき、信者を増やすため、祭壇にバナナを飾っていたことが鮮烈な記憶に残っている。

オリンピックのアメリカ水泳チームが、プールサイドでバナナをむしゃむしゃ食べている場面…

何よりもバナナが即効性があり栄養満点らしく、アメリカ水泳チームのこの判断は正しい。

これは学生時代読んで、ひどく頭に残って、また読みたくなって兵庫県の古本屋から再び買い求めた本である。

著者は、立石 厳。東京大学工学部卒業。平凡社で長らく編集者をやり、退社して興味深い本を書いた人物だ。

邪馬台国続考―黒潮の結んだ「古事記」と「魏志倭人伝」 (1976年)立石 巌 (著)、黒潮と倭人の国 1989/立石 厳 (著)

これらの興味深い書物を書いたときに、著者の脳裏にチベット文明のことが頭に残ったという。

というのは、日本人の起源、栽培植物の植生、あとはタイ北部で発見された6000年前の、弥生時代の土器とよく似た「バンチェン・倭人のルーツ」1983 新国民社、 などを見ていくと、みんなチベットの周辺に、その寸前までいって痕跡が消えてることに気づいたという。

 

倭族とは「稲作を伴って日本列島に渡来した倭人、つまり弥生人と祖先を同じくし、また同系の文化を共有する人たちを総称した用語」とのこと。

倭人のある一定の人たちは、江南・雲南からきた……下駄があり、赤飯があり、ちまきがあり、鳥居があり、納豆がある。
とても無関係とはおもえないと…。

「弥生人の先祖は首狩りをしていた?」 稲作儀礼と首狩り 1995 鳥越 憲三郎 (著) 雄山閣出版

「弥生人の先祖は首狩りをしていた?」 稲作儀礼と首狩り 1995 鳥越 憲三郎 (著) 雄山閣出版
「弥生人の先祖は首狩りをしていた?」 稲作儀礼と首狩り

 



バナナの驚異

 

バナナが不思議なのは、その起源がよくわかっていない点だ。

例えば、AIに聞いてみれば、このように答えてくる。

バナナは東南アジアやインド北部などの熱帯地域が原産地で、栽培の歴史はパプアニューギニアから始まったと言われています。
バナナの始まりは、紀元前5千年~1万年ごろに偶然できた種のないバナナの苗を人間が栽培化したことに由来しています。

栽培化の過程で、食べられる部分を増やそうとして種子のない変異体が選ばれました。

↑無難な回答と言えるだろう。学者の本もずいぶん漁ってみたが、バナナの起源に関しては、よくわかっていないらしい。

紀元前5千年~1万年ごろに偶然できた種のないバナナの苗を人間が栽培化した

↑これが、ここが問題である。

結論から先に言うと、バナナは古代チベット人が、人為的に作り出したものではないかと、立石 巌氏は言う。

 

カテゴリマスター tomi2005flowerさん
2006/4/116:31:52

バナナの野生種は種がいっぱいできます。

日本で販売している食用のバナナは、かなり古い時代に野生種の中から見つかった三倍体で、種が出来ません

実が熟すと株は枯れ、根元に子株が沢山生えます

これを、栄養繁殖と言います

では種がないのにどのようにしてふやすのでしょうか。

実はリンゴやナシなど他の果樹でも、品種改良をする場合以外は種でふやしません。

それぞれの作物でふやし方は異なりますが、挿し木や株分けなど、親株の一部から再生させる方法を用います。

バナナの場合は、通常、株もとに生えてくる『吸芽』という子供を切り離して次の苗にするのです。

この種は現在の食用バナナの原種と考えられている。

熱帯の住人が、昔、この種の野生品の中から、突然変異で種無しになった固体(3倍体)を見つけて栽培し、
それが長い間、栄養繁殖で受け継がれてきた。

↑これが現在、バナナの起源に関していくぶん詳しい解説だ。

ところで、種なしスイカ、種無しブドウといったものが存在する。

これは遺伝学者の木原均氏が人工的に作り出したものである。

ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E5%8E%9F%E5%9D%87

木原 均(きはら ひとし、1893年10月21日 – 1986年7月27日)は、日本の遺伝学者。位階は正三位。京都大学名誉教授。国立遺伝学研究所所長。理学博士(京都帝国大学、1924年)。

そんな種子がいっぱいのバナナが、いま食べているような種子の無いバナナになったのは、遺伝学的に三倍体に変化したからだと発見したのは、遺伝学者の故木原均博士です。

ふつうの生物は男性の染色体一組と、女性の染色体一組とが受精のときに合体して二組になっているので、二倍体と呼ばれています。

染色体というのは、遺伝子が列んだ帯のようなものですが、顕微鏡で観察するための染料でよく染まるので、染色体と呼ばれています。

原種バナナの染色体数は、基本的には11×2で22本ですが、三倍体は11×3で33本あるわけです。

この三倍体には種子が出来ないことをヒントにして、木原均博士は人工的に三倍体のタネなしスイカをつくりました。

「種なしブドウ」や「種なしスイカ」などは、ジベレリンやコルヒチンコルヒチンなどの薬品で処理され、人工的に3倍体にされています。

↑驚くべきことに、立石巌氏が、あんな寒いチベットに、これがバナナの原種じゃないかという小さなバナナを発見している。

 

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まとめ 結論のようなもの

学生時代、ふと読んだ、チベット発の、人為によるバナナ開発の可能性…

20年以上たって、こんな本に出合った。

 

高地文明―「もう一つの四大文明」の発見 (中公新書 2647) 2021/6/21山本 紀夫 (著)

古代文明というと四大河文明とおもいこんでいましてが、これは世界的な常識でなく、日本の教科書で提示されてきた定義と初めてしりました。

文明は大河の周辺ばかりでなく、平坦な高地で湖などの水に恵まれ、気温が穀物栽培に適したところなら、発生するということで、メソアメリカ文明、アンデス文明、チベット文明、エチオピア文明の4つの文明を例示された視点が清新で興味深いです。

また、貯蔵可能な食物として、じゃがいもの価値を見直す点も面白かったです。

〇第6章 チベットの高地文明ーチンコーとヤクとチベット仏教

☆チベット高地は亜熱帯高地だが、熱帯高地に類似した気候で住みやすい。紀元前3100年から2750年前に野生のヤク(ウシ)の家畜化が始まり、それ以前にチンコー(大麦の一種)栽培が始まったと推測される。

↑是非とも、山本教授には、チベットのバナナに注目して欲しい。

 





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